2010年4月26日月曜日

レスなど。

> 銃夢BBS
> Ivanさん
> サイボーグの羞恥心ってどうなってるんでしょうか。

サイボーグの羞恥心は、その個々のサイボーグのボディの構造と、周辺環境の文化的状況によって変わります。
まず、銃夢の世界では地上・宇宙世界を問わず、メカっぽい外観のサイボーグデザインが主流です。
特別な理由でもないかぎり、人間に似せたシームレススキンのボディは作られないため(人間に似ているということにたいした価値が認められないため)、そうしたメカっぽいボディのサイボーグは基本的に羞恥心は必要ありません。
メカっぽいサイボーグもしばしば服を着ていますが、これは個性を表すファッションだったり、地位や所属を表す記号だったり、単なる防護用のカバーや追加プロテクターだったりします。

一方で、ザレムより上の宇宙世界ではシームレスのソフトスキンを使った一見人間そっくりのボディを作る技術が存在します。
TUNEDボディがそうしたソフトスキンのボディだという話は以前しました。これは潜入工作をしやすくするためで、色仕掛けが可能なようにSEXもできます。
銃夢の世界は現代日本と違って荒々しい暴力が吹き荒れる世界なので、戦闘に不向きな上に量産が難しく非常に高価なソフトスキンのボディは一部の特殊用途にしか作られませんでした。
(オランプはアンドロイドですが、その一例です。)

ガリィに限って言うと、ガリイは物心ついたときからサイボーグなので、体を見せることに対する羞恥心というものはありません。
服を着るのは単なるファッションや防護服としての役目や擬装するためだったりします。
現在のイマジノス2.0のしっぽのついたコートは、イマジノス細胞を変化させて作ったオーバーボディなので、厳密にいうと人間の髪の毛や爪と同じです。


> LONさん
> なんと小学館では単行本用の表紙イラストなどの描き下ろしはタダだそうです。

僕もコミックスのカバーは原稿料もらいませんよ。
巻末のおまけページやNG人生劇場だって原稿料は出ませんから。
それでも描くのは、コミックスは作者の印税10%、数万部の発行で数百万円の収入になるので、その中に描き下ろし原稿分のギャラが含まれているものと割り切って描いています。

佐藤先生がギャラ云々だけでごねたと聞くと奇異な感じがしますが、リンク先の記事を読んで少し納得しました…。

強引にスケジュールを決めた上にそれを忘れる編集者…そりゃ怒るわ。(`ε´)
こりゃ編集者が悪い。すぐ菓子折持って詫びに行くべき。
しかし佐藤先生…講談社でも小学館でも行く先々で編集者にひどい仕打ちを受けるみたいだけど…、僕自身はこんなひどい扱いを受けたことはないですね〜。
駆け出しのころは編集者に鉄拳制裁喰らわせる覚悟で持ち込みしてたし、デビューしてからもプロにあるまじき心根の編集者は遠慮なく攻撃する男なので、いいかげんな編集者は僕を避けたのかな〜?

でも佐藤先生の言い分にも同意できないところがありますね〜。
コミックスのカバーイラストは上記のようにタダとはいえ印税という形で帰ってくるのだし、それに雑誌の表紙の絵は(小学館では知らないけどウルジャンでは)20万円ぐらいのギャラになるので、これを描かせてもらえば充分にペイできるのではないかと思うのですが…。
※28日追記:よく考えてみたら、小学館のスピリッツやスペリオールの表紙イラストは専属のイラストレーターが描いてたかもしれません。だとしたらマンガ家の出番はありませんね。

自作の単行本を「他社の商品」と言うのも共感できない。
法的には佐藤先生の言い分が正論なんだろうけど、僕は自分の作品の単行本を自分の息子か娘のように思っています。
作者とアシスタントと編集者とデザイナーや印刷所方々の仕事が相まって完成したものであって、もちろんそれは「商品」だけど、僕一人の力では出来なかったものだし、広く本屋さんの店先に並ぶことなど一人の力ではとうてい無理。
もちろん今はネット販売がそれに取って代わると言いたいんだろうけど…。
ネット販売は否定はしないけど、それで佐藤先生が食べていけるとしたら、それは大手出版社の元でヒット作を出した有名作家だからでしょ。
(少なくとも僕が同じ事したら、たちまち会社が倒産します。)
まったく無名の新人がネットでデビューして、それでご飯が食べられるようになるのかな?
ネットでたくさんの新人マンガ家が食べていけるというシステムを実現したなら、それはすごいことなんですけど。


2010年4月25日日曜日

レス。

つーちゃん三笠公園に行ったのか〜。いいな〜。
戦艦三笠の内部を一度見てみたいと前から思ってたのです。

> 銃夢BBS
> ipsisimasさん
> 「木星のチェルノブ727少佐は何故パンツを履いているのですか?」

第一の理由は「山城うなぎさんの面白デザインを採用したから…」ですが、読者の投稿デザインを採用するにしても、無意識のうちに銃夢LOとの世界観の整合性をチェックした上で採用しているので、そのデザインの理由を説明することは可能です。
(よ〜するに理由は後付けですが…)

機械化文明が発達した木星連邦では、箱形のボディが主流で、高等民であることを表すステータスにもなっています。
アイスファームの木星農民は人型をしてますが(これも山城うなぎさんのデザイン)、これはオーバーボディで中に箱形の木星人が入っています。物理労働が必要な環境ではこうしたオーバーボディに接続して働きます。オーバーボディは脳と直結するので、普通のサイボーグと同じように自由に動けます。

チェルノブ少佐の人型ボディも同様にオーバーボディで、肩から下はオプションパーツです。
チェルノブ少佐の任務はZOTTにおいて木星連邦の強大さを宣伝することで、農民や前線の兵士のように実際に物理労働するわけではありません。
にもかかわらず、なぜあんな立派なボディをつけてTVに出演したのか?
あまつさえ、パンツをはいて飼い猫まで連れていたのか?
プロパガンダに力を入れている木星のことですから、事前に綿密なリサーチをしたに違いありません。

まず、木星人の箱形ボディは、木星人の美的観点からは非の打ち所がないほどクールでマッシブでインテリジェンスなのですが、ほかの惑星の人からはなぜかバカにされる。
木星人の個体識別が難しく、印象に残らない。
というアンケート結果が出たので、他の惑星のデザイナーを起用して、威圧的で印象に残るオーバーボディをデザインさせました。
これで完璧に思えたのですが、木星のリサーチ部門はいい仕事をしすぎて、さらにいくつかの調査結果を提出しました。
「TVでは股間を隠すべきである。そうしないと未開人と間違われる」
「小動物は非常にTVで人気が高い。理由は分からない」
箱形文明になって久しい木星人には正直まったく理解できない感覚でしたが、理解できないがゆえに、そのまま採用することになりました。
オーバーボディをデザインしたデザイナーは、TVでチェルノブ少佐がパンツをはいているのを見て悶絶したでしょう。

2010年4月19日月曜日

質問へのレス

銃夢LO 15巻のカバーの一部。

>銃夢BBS
> たけはるさん
> 11巻で木星ではサイボーク(?)の牛を育てているシーンがありましたが、
> 育ててどーすんですか?

木星人といえど生身の脳を維持するためになにかを食べなければならないわけで、そのためのタンパク源として牛さんを育てていると思われます。
過酷な宇宙環境にも耐えられる木星牛ボディの中は、脳と遺伝子改良によってコンパクト・効率化された臓器とミルクを分泌する器官が入っていて、小型の宇宙船とも言えるボディの中で代謝の循環が行われ、最小のエネルギー消費で最大の収穫が得られるように設計されています。


> 捨てられたチェールヴイはどうなったんですか?

どうなったんでしょうねえ。


> 昔の一巻~四巻で顔の線はどうやって消していたんですか。

すいません、質問の意味が分かりません。


> ガントロールが火星に着くの遅くないですか。

銃夢LOの宇宙世界では、ヘリウム3を燃料とする高効率核融合エンジンが普及しており、最高速の宇宙船では1G加速を実現しています。
地球と火星の相対的位置は常に変化しており、地球と火星が再接近しているときと公転軌道の反対側にあるときでは距離は何倍も違ってきます。
また、宇宙船が惑星の公転方向にしたがって飛ぶか、逆らって飛ぶかでも航行時間はまったく変わってきます。
銃夢LOの世界では、1G加速核融合エンジンの宇宙船で、地球と火星が再接近しているときに公転の慣性を生かして飛ぶ(もっとも好条件な)場合、約一週間ほどで地球〜火星間を飛行できます。
ガントロールのケースでは、イェールを出発したとき地球と火星は再接近を少しすぎたところで、相対距離としてはそう悪くありません。
(銃夢LO6巻38pの模式図を参照してください。)
しかし、公転方向に逆らって飛ぶことになり、倍の時間がかかることが予想されます。
しかもガントロールはお尋ね者なので(ムバディの指示による追っ手はないにしても)、警備艦のうろつく通常航路は飛べません。
太陽系公転円盤の上か下にいったん出て、カーブして火星の北極側か南極側から侵入するような変則ルートをとる必要があり、よけいに時間がかかります。
銃夢LO6巻38pの模式図によると、イェールを6月2日に出発して火星に6月17日に到着するという航路計算表示があり、航行時間は15日間。
ガントロールが脱出した日(ZOTT1回戦)から現在のZOTT決勝戦まで8日間。
ガントロールが火星に着くまでまだ少しかかりそうです。


> どれぐらいの間隔でコミックは出るんですか?

通常6回連載するとコミックス1巻分の分量になるので、理論的には最短で半年ごとに刊行することになります。
しかし連載を休んだり、連載してもページが少なすぎたり、コミックスのカバーイラストや巻末ページ制作や編集作業に手間取ったり、あるいは刊行する月にほかのマンガのコミックス刊行が集中しすぎたりすると刊行月をずらしたり、等々、さまざまな大人の事情によって刊行が遅れることがあります。
ご容赦ください。

次の銃夢LO 15巻は6月に刊行予定です。

2010年4月17日土曜日

4月なのに凍死しそうです。



現在暖房の効いてない部屋の温度10度。
なんでこんなに寒いんだあぁ〜。
(((゜д゜;)))
右の桜の写真は今月原稿を上げたあとの4月13日に近所で撮ったもの。
いつもだと仕事中に桜が散ってしまって、見ることができないことが多いので、今年は桜の開花が遅れて得した気分。
とか思ってたら…。
左側の写真は4月17日早朝、仕事場から撮ったもの。
異常に寒く感じると思ってたら雪が降ってやがるし。
ついに恐れていた氷河期の到来か…!!
地球温暖化がどーのこーの言ってた奴はバツとして裸で町内三周。

>銃夢BBS
>南さん
> ■今月号の見開きページ・22ページのゼクス、28ページ目の
> ゼッカ、今まで見たことがないようなタッチの絵ですね?全
> 体的に「線」を多用したように見受けられますが、如何。

そうですか?別段いつもと違ったことをしているわけではないと思いますが…。
見開きのクロスカウンター、22pのゼクスのアップなどはほとんど全部ぺんてるの筆ペンで描いてます。
ストロークの長い直線と腕の楕円などはつーちゃんに頼んでペンで描いてもらってます。
ここの絵はトーンを使ってないので、主線の印象が強いのかな?
同じようなことは銃夢LO11巻44,45pのアノーマリー対刀耳戦でもやっています。
28pの絶火は、もっとかすれた筆で一筆書きしたみたいに描きたかったんですけど、これが限界でした。


> ■ゼッカが背中の落書きを消したのはファジロイ体のどうい
> う作用/機能・・・??

周破衝拳などと同じように体表面を振動させてインクを剥離させています。
ボディの振動はフィジロイ体の特別備わった機能というわけではなくて、宇宙世界のハイレベルのサイボーグならば(程度の差はあれ)誰でもできます。
※例証…ザジのオシレーションパンチ殺し、絶火のゼクス流周破衝拳双掌打返し、羅姦の弧弾返し