前回の書きこみからずいぶん間が空いてしまいました。「地球防衛軍5」と「MortalKombat XL」にうつつを抜かしていたためというのは秘密です。
今回は液晶タブレット(液タブ)を購入して使ってみたのでそのレポートです。
実は僕は液タブを買ったのは初めてではなく、今から15年以上前に30万円もするWacom のCintiq 15インチを買ったことがありました。
ところがこれが大失敗。ぶっといアナログRGBモニタケーブルとUSBと電源ケーブルを三本もつなげた上、液晶が小さい上に色再現性が悪く、本体も重くてかさばり、結局一度も仕事に使うこともなくハードオフにたたき売るはめになったのでした。
僕もいろいろ無駄遣いや買い物の失敗はしてきましたが、30万円超の買い物でなんの成果も残せなかったというのはさすがにこたえ、買い物黒歴史に刻まれたというわけです。
そんなわけで…最近技術革新によって液タブもスマートになってきたと聞き、一、二年前からリサーチを始め、アマゾンをのぞいたりしていたのですが、前回の大失敗の経験から、なかなか購入に踏み切ることができなかったのです。
Wacom のCintiqはあいかわらず高い…しかもレビューにはいろいろなトラブルの書きこみが…。
アマゾンを見て初めて知ったのですが、中華メーカーの激安液タブが多数発売されていました。しかもレビューの評判もすこぶる良いではないか…!?
仕事道具16_液晶タブレット
ようやく本題。
と言うわけで、今回買ったのは中華メーカーXP-PenのArtist 15.6という液タブと、別売りの専用スタンド。
液タブ本体が¥ 37,998円、専用スタンドが¥ 5,800円、両方あわせても¥ 43,798円という激安ぶり。
ほぼ同じサイズのWacom Cintiq Pro 16が¥ 157,075円(アマゾン9%OFF価格、2018年2月21日現在)ということはXP-Penは三分の一以下の値段。こんなに値段が違っていて大丈夫なのかという不安にも駆られるが…
ちゃんと日本のアマゾンから配送され、上品な箱に入っている。
数カ国語で書かれた説明書にはちゃんと日本語の説明も載っている。
筐体もしっかりした作りで、チープさは感じない。
本体の厚さは11mm。非常に軽く、これなら使わない時にしまっておくのも苦にならなそうだ。
画面の15.6インチは今まで使っていた板タブのIntuosより広く、かといって大きすぎず、ちょうどいい感じだ。
ケーブルは右側面にUSB-Cケーブルを一本挿すだけと非常にスマート。
専用のケーブルは先端が3つに分かれていて、HDMI(モニタケーブル)、USB、電源用のUSBとなっている。
僕の円筒形MacProは机の左側に配置しているため、ケーブルの取り回しにはやや工夫が必要だったものの、接続はきわめて簡単にすんだ。
あらかじめWacomの板タブのドライバをアンインストール。これをちゃんとしないとドライバがコンフリクトしてトラブルとなるらしい。
付属したCD-ROMからではなく、XP-Penの公式ホームページ(ちゃんと日本語だった)に行って最新のドライバを落とし、インストール。
電源を入れるとあっけないほど簡単に使えるようになった。
標準では画面の色温度が高く、やや青みがかった感じ。しかしさすがデジタル接続、画面がぼけたりすることはなく、1920×1080の解像度でピシッと表示してくれる。15年前のCintiqとは比べものにならない。技術の進歩はすばらしい。
実際のイラスト制作に使ってみての感想。
使用しているアプリケーションはPhotoShopCC2018とPainter2017。
まったく問題なく使える。
イラストの制作効率がものすごく良くなった。
ただ、スタイラスペンを寝かせて描くとカーソルを認識しなくなるため、ペンを立てて描かなくてはならないのは少しストレスがかかる。
べつにWacomみたいに傾き検知でペンタッチを変える必要はないが、もう少し傾きに融通がきいてほしい。
あと、はじめから液晶保護フィルムが貼ってあるのは良いが、あっという間に傷だらけになってしまい、サードパーティーの保護フィルムを買うはめになってしまった。
付属のペンスタンドがゆるゆるすぎてペンが立たない。
など、細かな不満点はあるものの、この値段を考えるとそんな事はどうでもよくなる。
実にすばらしい液タブだ。
あとはどれぐらい耐久性があるか、仕事のハードワークに耐えてくれるか、だろう。