2024年12月27日金曜日

生成AIとの向き合い方

前回からの続き。


生成AIには既存の人間が作った学習ソースが必要である。  

その学習の過程が著作権を侵犯しているのではないかという疑いから、多数のアーティストが抗議の声を上げ、新聞社や音楽レーベルなどがOpenAIやsunoAIを起訴している。  

また、生成AIで作られたCMが炎上したりしているという現状も知っている。

つまり現在の社会において、生成AIを使用することやその成果物に対してコンセンサスが定まっていない。


ここで僕、木城ゆきとが生成AIに対してどんなスタンスを取っているかを明確にしておきたい。  

ここからはセンシティブな問題に触れるので、人によっては不愉快に感じる方もいるかもしれない。

あくまで僕個人の考えをのべるが、異なる立場の方々の考えを否定したいわけではない。

気分を害する人がいたら先に謝っておく。



僕は生成AIはツールに過ぎないと思っている。  

もともと技法マニアなので、何か新しい技法、新しい画材、新しいツールが出たと聞けば試さずにいられない。

リキテックスにエアブラシから、MacとPhotoshopに変えてきた。

もちろんアナログな画材にも良さはある。

しかし自分は「ワイヤーフレームのCGを描くのにホワイトとトーンで手書きするのはバカらしい」と感じるたちだ。

劇中のCGはコンピューターに描かせたい。そして昔は夢物語だったことが今はソフトとハードの進歩によって可能になった。

生成AIの発達には、僕は恐れや不快感よりも、好奇心やワクワクが上回っている。

問題はこのじゃじゃ馬なテクノロジーを、どうやって自分の仕事のスタイルに落とし込むか。そのことをずっと考えている。

もし同じように生成AIを使っている人がいれば、意見や体験談を教えてほしい。お互いに情報をシェアしながら、面白い使い道を模索していけたら嬉しい。


著作権侵害に関しても問題は多々あるが、そういった社会的議論は進行形なので、今はそれよりも技術的な可能性を試したいと思う。


今後もテクノロジーの進歩に合わせて試行錯誤を続け、作品に生かしていきたい。生成AIがもたらす創作の可能性を、個人的にはとても楽しみにしている。