2009年9月28日月曜日

9月最後のカキコ。

※しつこくお知らせ※
僕が巻末解説を書くことになってしまった竹書房【「超」怖い話クラシック ベストセレクション 殯(もがり)】がいよいよ10月2日に発売されます。この日は本屋にGOだ!!

>銃夢BBS
>Ivanさん
> 昔、小林よしのりさんが「マンガ家はコドモが多すぎる!」と怒っていました
> がゆきとさんの目から見てもそうですか?

僕はほかの先生とのつきあいがないのでわかりません。
しかし僕自身の経験から言っても、若くしてマンガ家になってずーっとマンガばっかり描いているわけですから、よほど本人の自覚がないかぎり精神がガキのままということは充分あり得ます。
島田先生の「吠えろペン」でも、登場人物に「ずっとマンガばかり描いている人間が…大人になれるわけないだろうっ!!」と言わしめていますし。


さて、僕は仕事に入ります。また来月。
来月はウルジャン10周年記念で、ウルジャンピンナップ画集などが発売されるそうなので、要注目ですよ!!

2009年9月24日木曜日

レス、レビューなど

行方不明になっていた「クレヨンしんちゃん」の臼井先生が事故と確定されたそうで…。
お悔やみ申し上げます。
東尋坊で写真撮りまくってた僕らもまさに人ごとじゃないんだけども。
臼井先生は以前から山歩きしてたらしいけど、せめてお供を連れていれば…。


《 コスモアイル羽咋訪問レポ 》つーちゃんグッジョブ。(^_^)b

>kawamura君
>ロシアのポッドがBioshockの冒頭で乗り込む潜水ポッドに似ていて、
>これを資料にモデル作ったのかなあと思った。

潜水球はロケットより大昔から使われています。
潜水は外圧、宇宙船は内圧に対抗するためにボンベみたいな球体が一番合理的な形なんですな。
しかしソビエト、ロシアのデザインというのは銃器などを見ても西側とは一線を画している。
ガンショーなどの写真を見てて「うおっ!?なんだコレかっちょいいー!!」
と思うのはほぼロシアや東欧圏の銃。
なぜなのかは謎。

>UJ新人賞の木城ゆきと総評
>オクテットさん
>ゆきと先生の評論なんですが結構手厳しいものでしたね。
>ところで大賞も準入賞も無かったのですが佳作と奨励賞を受けた作品はいつか
>UJで読むことが出来るのでしょうか?

今回審査員を引き受けてから、実際に投稿作品のコピーが送られてくるまで、実のところビビって迷いまくりでした。
(そのへんのことはつーちゃんに聞いた方がいいかも)
僕自身や周りの人間が投稿作品を描こうとしてどれだけ苦労したか知っていますから…。
それに僕自身が「怪洋星」で佳作になった時に「この節穴どもがッ!!」と思ったと逆の立場が生じないとも限りませんから…。
(わかりやすくいうと、僕の審査眼の認識力を超えた才能を正当に評価できない可能性を恐れた)
でもまあ、僕も今や40過ぎのじじいだし、「若い者の前に立ちふさがる壁になる。それも大人の責任だっ!!」と思い、正直に思ったことを書きました。
しかしウルジャンに掲載される時は多少ソフトな表現に書きかえられるかと思ったんですが、全文そのまま載っちゃいましたね〜。
今回の入選作がウルジャン本誌で載るかどうかは知りませんが、ウルトラジャンプエッグにそのうち載るんじゃないでしょうか。

>不思議BBS
>ipsisimas_gaさん
> YKさんがゆきと先生だとすると、
> TKさんはツトム塾長?
> あと、先生と塾長は何故恐怖と不思議を求めているのか、
> その理由、目的をご存知の方も。

YKさんTKさん?
さぁ〜なんのことやら…。♪~( ̄ε ̄;)
僕ら兄弟が恐怖と不思議を求める理由は、それが面白いからです!!
子供のころから、科学の話と同じぐらい怪奇な話が好きでした。
年をとって多少知識が増えましたが、しょせん世の中圧倒的に僕の知らないことの方が多いので、知らないことや珍奇なことに目が輝くのは子供のころから同じです。
もう少し理屈っぽくいうと、世の中に存在する現実と幻想、科学と不合理、肉体と精神、英知と愚かさ、哲学と宗教、知られているものと知られてないもの、事実と嘘、そういった両極端の境界線上にあってどちらとも判別のつかないような事件や事象に知的スリリングを感じるとでも申しましょうか。
…かっこつけすぎました。
ただの野次馬です。


やったゲーム
(Wii)

Wiiで買ったパッケージゲームとしては「零/月蝕の仮面」以来一年ぶりとなる。
ハウスオブザデッドシリーズはサターン版からのファンだったので、アマゾンで予約して買った。

タランティーノの映画「グラインドハウス」をイメージした演出で、B級映画っぽい世界観はなかなか楽しい。
以前のHoDとはちがうが、これはこれでアリ。

システムもだいぶ違っており、以前のHoDではいったんゲームを始めると息つく間もなくスピーディーに次から次へとステージを突き進むことになるが、オーバーキルではステージをクリアするとステージ選択画面に戻ってしまう。
ここでだいぶスピード感を削がれてしまうのはマイナス。ステージ選択画面の各ステージのB級ホラー映画風のイラストはすごくいいのだが。
それから以前のHoDシリーズに比べると、難易度が信じられないぐらいに低い。
特に各ステージのボスはセガ史上最弱の弱さ。ほとんどダメージを受けることなく倒せてしまう。
ご親切にもボスの弱点まで丸でかこってくれるし。
ラスボスの「マザー」は妙に硬いけど、攻撃が単調でぬるいので、単なる根比べになってしまい、倒してもミスして死んでも爽快感がない。
緊張感のない音楽もマイナスイメージの一因かもしれない。
以前のHoDシリーズのラスボスをやっとの思いで倒してエンディングを見た時は、本当に感動したものだが…。

ただステージをクリアするだけならものすごく簡単なのだが、一発もミス撃ちをせずにどんどんゾンビを倒していくとコンボが成立し、25人連続で倒すと「ゴアイズム」というボーナス状態になって画面に星条旗が翻る。
この連続コンボを維持してスコアアタックをかけたり、ステージ各所にあるアイテムをとったりすると適度に難易度が上がり、面白くなってくる。
(とはいえ、ボスが興ざめなのは変わらないのだが…)

エージェントGと黒人警官のアメリカン漫才な掛け合いや、敵の黒幕のキャラクターのブラックユーモアな描写は楽しい。
しかしキャラクターのモデリングや動きは初期のPS2のゲームのように稚拙で、本当に現代に作られた新作ゲームなのかと疑うほど。
所々でゾンビがなにもないところにポコッと出現したりして、作りこみの荒さが目立つ。
それとレーティング上しかたがないのかもしれないが、前シリーズのようにゾンビの体の部分破壊が中途半端。片腕はもげるものの、頭が吹っ飛んだり上半身と下半身がバラバラになったりはしない。
ストーリーモードのほかにディレクターズカットモードというのがあると聞いていたので期待していたのだが、ちょっとステージが長い以外何が違うのかわからない。
エンディングテロップやおまけ画像のスタッフのハロウィンパーティの写真などを見ると、作ったのは外国のスタジオのようだが、作りこみの荒さやラスボスがぬるいことの言い訳にはなるまい。

HoDファン、元セガゲーマーとして文句を書いたが、まあそこそこ遊べるし、知り合いが数人集まった時にキャーキャー言いながら遊ぶゲームとしては楽しいかもしれない。
HoDシリーズとしてみた時は問題作だが、普通一般のガンシューティングゲームとしてみた時はクソゲーとまでは言えない。佳作。

発売前にオーバーキルのファミ通のレビューにセガ社員が文句をつけたという記事がネットに載ったが
オール6というファミ通の点数は残念ながら妥当。
むしろセガファンからしたら甘いぐらい。

2009年9月21日月曜日

東京で打ち合わせした。


先週旅行から帰ってきてからMacBookProの調子が悪くなり、Appleサポートに電話したのが木曜17日。
本体内部から「カシャッ…カシャッ」という規則正しい異音が聞こえ、レインボーカーソルが回りっぱなしになってアプリが応答しなくなるという症状。
「ハードディスクが壊れる前兆か!?」とびびり上がり、毎日使うマシンなので、対面修理してくれる店を探した。
一番近いアップルストア銀座は予約受付がいっぱいでダメだったため、アップル正規プロバイダーである秋葉原のソフマップに行くことにした。
イトウさんに電話して急遽打ち合わせ場所を東京に変更してもらう。
金曜18日。午前中につくばエクスプレスで秋葉原に出る。
秋葉原を歩くのは何年ぶりか…建物がすっかり変わっていて軽く迷う。
やっとの思いでソフマップの修理受付カウンターにMacBookProを出したが、「領収証はあるか」「BTOでどこか変更したか」とか意味のない質問ばかりしてはじめから印象悪し。
ユニボディの17インチは今年なってから出たんだから、買って1年以内なのは見りゃわかるだろ。
BTOでどこを変更したかは起動してプロファイル見れば分かるし。
「アップルから正規のハードディスクを取り寄せて交換するので、修理に数日はかかる」とか言い出して、耳を疑った。
天下の秋葉原の正規プロバイダーで、なんでハードディスクのひとつも置いてないんだ。
金にならない修理はやりたくね〜というのが店員の態度からありありとうかがえたので、すっげえ頭に来たが、これ以上ごねてもムダと思い、さっさとマシンを持って店を出た。


午後、水道橋で降りて集英社に徒歩で向かう。
時間が余ってしまったので、いつもだったら大型書店などで資料本をあさるのだが、重い荷物を持って徘徊するのも疲れるし、マシンを置き忘れたりしたら大変なので、イトウさんに電話して打ち合わせを少し早めにしてもらうことにした。
神保町のあたりを歩くのも久しぶりだが、以前とは違い、歩道でタバコを吸っている人がいない!
以前は交差点で信号待ちしていると、必ず自分の風上にタバコを吸っている男がいて、不愉快な思いをしたものだ。なんでタバコを吸う人間は風上に立ちたがるのだ?
路上喫煙禁止は非常によい。気持ちよく歩けた。

イトウさんと落ち合い、後楽園球場の近くのホテルで焼き肉を食べ、その後同じホテルの40何階だかにある喫茶店で打ち合わせをした。
上の写真はそこで撮ったもの。
お上品なホテルの喫茶店なので落ち着かないこと。
午後6時からは別料金だとかで、話すことも尽きたので切り上げて帰った。
あ〜疲れた。

MacBookProを持って行ったのはまったくの徒労となってしまった。
その後3日たつが、MacBookProの不調は再発していない。
つーちゃんの日記を読むと、レインボーカーソル回りっぱなしなどの症状は似ているけど、OSのせいで異音がしたりするものだろうか…。
Appleに修理に預けるか、このまま使い続けるか、現在思案中…。

2009年9月15日火曜日

コスモアイル羽咋に行ってきました。

石川県能登半島の付け根のあたりにある宇宙博物館、コスモアイル羽咋(はくい)に行ってきました。

福島のUFOふれあい館に続いてUFOの展示がある博物館ということで、つーちゃんとの間では以前から話題になっていました。
僕の目当てはUFO関係の展示よりも、アメリカ・旧ソ連の宇宙船などの展示物。
アメリカの宇宙船は忠実とはいえレプリカがかなり混じっているんですが、旧ソ連のは本物。すげえ。
写真はボストーク宇宙船の帰還カプセル。
ソビエトのメカデザインのかっこよさは異常。

旅行の詳しいレポートは近日中につーちゃんが記事にすると思います。

2009年9月9日水曜日

近況など。

※お知らせ※
今月発売のウルジャンの銃夢LOの連載はお休みですが、ウルジャン新人賞の僕の批評コメントが掲載されるもようです。

※お知らせ2※
僕が巻末解説を書くことになってしまった竹書房【「超」怖い話クラシック ベストセレクション 殯(もがり)】は10月2日発売です。この日は本屋にGOだ!!


やっとコミックスカバーイラスト、巻末ふろく、原稿直しが終了して原稿データを入稿しました。
順調にいけば、銃夢LO14巻は11月19日に発売予定です。

今回は巻末の「NG人生劇場」を3ページ描きました。
ずいぶん前から人生劇場の作画にはセルシスのコミックスタジオを使っていて、今回は最新のコミスタEX4.0MacOSX版を使用。
ある程度コミスタ独自の作法に基づく制作スタイルができてきたのですが、作画にやたらと時間がかかってしまいました。
半ページ描くのに約6時間。アナログ作画ではかなり複雑な絵でも「3時間コース」といってだいたい1ページ3時間もあればペン入れは終わります。
ということはアナログ作画に比べてコミスタ作画では1ページあたり4〜5倍ぐらい時間がかかっていることになります。
いくら何でもかかりすぎですね〜これは。(^-^;)
しかも人生劇場の絵は超簡単に描きなぐっているように見えるデフォルメ絵なのに。
コミスタの作法に慣れていないということに加えて、タブレット直描きなので思うように線が描けないというのもあるのでしょう。
またアンドゥができたり、線を後からチマチマ修正できるので、気が済むまで直してしまうためによけいに時間がかかるのかもしれません。


BBSなどのレス

>ゆきとさんがドラクエの感想を欲しがるとは
>Ivanさん、他

僕はドラクエには興味はありませんが、ドラクエをやっている人には興味がありまして。
楽しめましたか。よかったですね〜。(^_^)
自分でお金出して買ったゲームを楽しめるというのが一番ですよ。

ドラクエとは関係ないけど、最近笑ったゲーム関係の記事。↓

日本と西洋のデフォルメ感の文化的相違の指摘。
僕はアメコミも「ゴッド・オブ・ウォー」も好きだけど、昔からなんでアメコミではどいつもこいつも白目で歯をむき出してるのか?という疑問があった。
少なくとも、アメリカのゲーム制作者は女性キャラをもう少し美しくデザインするべきだな。
生身では美人がたくさんいるのに、3Dモデリングすると不細工になるというのはなんとも不思議だ。


>これが「機を外す」か!
>南@某所ホテルさん

この映像はつーちゃんのレスにあるとおり、映画「黒帯」の特典DVDの一部ですね。

僕はいい映画やゲームを観たりやったりした後、その感動したことに満足してしまって「ゆきと帳」にレビューを書き忘れる、という悪癖があるんですが(^-^;)、この「黒帯」はそうした映画の一本。
「黒帯」には特典DVD付きスペシャルエディションと特典なしスタンダード版がありますが、見るなら絶対に特典付きの方がいいです。特典DVDは武道好きには本編と同等、あるいはそれ以上の価値があります。
「黒帯」は純粋に映画としてみた場合は筋書きの整合性に少し無理がある部分があるんですが、映像の美しさと殺陣の迫力はそうしたアラを吹き飛ばすパワーがあります。
映画本編を見て、そうした迫力の殺陣をどうやって撮ったんだろう?という疑問を解き明かしてくれるのが特典DVDの映像。
実はスタント無しのフルコンタクトだった、ということでさらに背筋に震えが来ます。
現代にもこれだけの実技をともなった武道家が実在するという事実、そしてそれをこのような映像美で公開してくれた映画スタッフの方々にお礼が言いたくなる、そんな映画です。

さて、「黒帯」の時期外れのレビューはここまでにして、お題の「これが「機を外す」か!」に行きます。

僕の見たところ、これは「機を外す」とは違い、おそらく予備動作をなくした「気配を消した」突きだと思います。(もちろん実際に体験したわけではないので推測ですが)

まず普通の突きをなぜブロックできるかというメカニズムを細かく分析してみます。
防御する側の人は相手のパンチが発射されたのを見てからブロックの動作をしているのではなく、パンチが放たれる前に相手の足や腰、目などに現れる動きを合図としてブロックの動作を始め、パンチをうまく防いでいます。

ところが相手にそうした直前の動き(予備動作)がまったくなくパンチが放たれた場合、防御反応が間に合わないために簡単に打ち込まれてしまうのだと考えられます。
また映像では「気配を消した突きはなぜか痛みがちがう」と言ってますが、これもボディの筋肉を収縮する防御反応が間に合わないために「虚を突かれた」状態になり、ものすごく効くのだと思われます。

では、銃夢で言っている「機を外した」とはどういう状態なのか。

銃夢の「機」のイメージとして、現在実際に見られる映像として一番イメージに近いものは、ボクシングやキックの「クロスカウンター」です。
物理的にはボクシングの「カウンター」カテゴリーの中のさらにミリ単位で精密なものであり、ボクシングなどにない意識操作の概念も入っていますが、おおざっぱに言えば「機」=「カウンター」とくくって問題ないです。
逆に言えば、攻撃をしてこない相手には「機」は成立しません。

相手の攻撃の出鼻をとらえてこちらの攻撃を打ち込むのが「機/カウンター」ですが、「機を外す」とはこちらの攻撃を相手が「機/カウンター」で迎え撃とうとしたものをさらに外した状態、ということです。
つまりカウンター外し。
文字で書くと分かりづらいですね〜。
「機を外す」という行為自体には攻撃力はなく、ただ相手は来ると思っていた攻撃が来ないので宙ぶらりんの「虚」の状態になります。
タイミングによっては相手は重心を崩して転倒します。
この説明ではわかりやすく互いに攻撃技を出しているように書いていますが、端からは見えにくい微妙な動作の応酬の場合もあり、その場合端からは手も触れていないのに一方が転倒するような、一種オカルトめいた技に見えます。

ここで書いていることは僕の空想ではなく、中国武術や日本武道の中に実在する技術です。