2010年1月20日水曜日

「バイオショック」をやった。

※お知らせ※
来月2月売りウルジャン3月号の銃夢LOの連載はお休みします。
毎月連載を楽しみにしていた方、ごめんなさい。
旧銃夢新装版のカバーイラストをできるだけ描き溜めするために連載のお休みをもらいました。


さて、仕事終わった後、Amazonで予約してあった「バイオハザード・ダークサイド・クロニクル」がなかなか来なくて、後から注文した「バイオショック」が先に届いてしまったのでプレイしました。
いまさら名作と誉れ高い「バイオショック」を買う気になったのは、もうすぐ「バイオショック2」が出ると知ったため。続編ではプレイヤーはかっちょいいビッグダディになってドリルを使いまくれると聞いたので、「こりゃあ1作目もやっとくべ」と思い、買いました。
それから川村君が力説する「ナラティヴ」なるものがどのように表現されているか興味もあったので。


一人称シューティングなので、最初のうちは3D酔いしないかとビクビクしながら進めていたけど、結局最後まで酔うことなく無事クリアできました。(これ重要。どんないいゲームでも酔ったら続けられないからね…)
現在難易度イージーで一周したところ。
評判通り独特の世界観で細部まで作り上げられていて、面白かった。
バックグラウンドで流れている館内放送まで日本語で吹き替えられていて、ローカライズの丁寧さにも感動した。
非常に親切な作りで、次に向かうべき場所が矢印で表示され、謎解きのヒントまでくれる。
おかげで攻略サイトに頼ることなくクリアできた。
「ヘイロー」のときも感じたが、最近の洋ゲーは本当に親切。

僕はビッグダディが守っている少女を救う方を選択したのだが、少女が人間に戻っても可愛くないところは洋ゲーの悪いところだなあと思った。
女性や少女が可愛く作られているかどうかで日本での受けは360度ぐらい違うもんね。

個人的によかったのは自動銃座や監視カメラをハッキングして自分の味方につけられるところ。
破壊するだけなら簡単だが、ハッキングできるとなるとつい欲をかいて不用意に接近して十字砲火を浴びてダメージくらったりしてしまう。
ハッキングの内容はパズルを解くのだが、面倒なときは金で解決したりアイテムで解くなど、複数の手段が用意されている点もよい。

演出でゴーストが見えたり、カメラで写真を撮ったりするところはテクモの「零」シリーズの影響ですね。
「零」のゴーストの幻視は謎解きに関わる非常に重要な演出でしたが、「バイオショック」のゴーストは不気味な雰囲気を出す以上の意味はないのが少し残念。

支配者のおっさんが演説する「人間と寄生虫の違いとは何か」などは現代人への過激な風刺になっていて、実に面白い。こういう現実に通じるアイロニーをセリフやストーリーに込めることができて「大人の鑑賞に堪えるストーリー」といえる。

結局川村君の言っていた「ナラティヴ」なるものは、体験してみると空気みたいなもので、それと知らないうちにプレイヤーが「うまいこと乗せられている」ということかな。
その状況を作り出すために緻密なゲームデザインがされているけど、「成功した特撮は特撮に見えない」というのと同じでうまくいったときは客は気がつかない。
そういえば劇中に「君の吸っている空気すらも私からのギフトなのだ…」というセリフがあるけど、いろいろと意味深だなぁ。